朝のNHKニュース「おはよう日本」で電力自由化を特集。
2つの疑問点を投げかけていました。
節電している家庭には電力自由化の恩恵が少ない
1件目は、都内在住の2人世帯の家庭への取材です。東日本大震災をきっかけに市販の電力量計をつけて、電力使用量を常にチェックしています。月々の電気料金は一般的な2人世帯の半分以下の4500円程度です。
4月からの電力自由化でいくら安くなるか調べると、24プラン中4プランしか安くなるプランがありませんでした。電力会社は、電気を多く使う家庭への割引プランは豊富に出していますが、利益幅の少ない電力消費の少ない家庭へのプランは積極的にだしてはいません。
原因は電力料金の3段階制です。電力料金は概ね120kWh以下(第一段階)、120~300kWh(第二段階)、300kWhを超える分(第三段階)で1kWhあたりの単価が高くなります。おおよそ第三段階の単価は第一段階の25~50%ほど高くなります。コストは段階によりあまり変わりません。政府の政策で節電を促す意味もあります。電力自由化による料金の構成ですが、各社300kWhを超える第三段階の単価を抑えることで料金を安くするようにしております。
電力自由化の激戦区の首都圏でこの様な状態ですので、まだ新電力の参入が少ない地方で電気をあまり使わない世帯は電力自由化の恩恵を受けないのではないでしょうか。
原発の電気は使いたくない
2件目は、福島市で洋食店を営む世帯への取材です。この方は東日本大震災で売利上げ半分になったこともありました。そこで、原発の電気ではなく再生可能エネルギーによる電気を使いたいと考えています。しかし、まとまった契約数の見込めない地方では、契約できる電力会社が限られています。
全国で電力自由化ついてアンケート調査を行ったところ、32%の方が再生可能エネルギーによる電気を使いたいと回答しました。電気は発電手段は異なっていても品質は同じです。しかし、再生可能エネルギーでの電気を使いたいという方が32%もいるということは、自然環境への関心が高まっている証拠でしょう。
今後の課題
政府は家庭への電力自由化に向けて、各電力会社に電源構成を公表するように仕向けています。どのような発電で電気を作っているのかが解れば、電力会社の選択肢が広がります。少し高くても、再生可能エネルギーによる電気を使いたいという方も大勢いらっしゃると思います。電源構成を積極的に示すことを各電力会社は行ってほしいです。
再生可能エネルギー発電のコストダウンも課題にあるでしょう。
また、節電心がけている世帯に恩恵がある電力プランの増加を期待します。「Looopでんき」の基本料金0円がそれに近いかもしれません。
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