一般家庭への電力小売り自由化により、4月1日時点の契約切り替え数が約53万件に上りました。3月25日時点より約4割増えました。4月が始まって1週間立ちましたが、新電力の顧客獲得が集中しているのは都市部です。契約切り替えの9割弱が首都圏と関西圏です。新電力の内、より強固な顧客基盤を持つガス会社や石油元売りなどの先行する状況が続いております。
電力広域的運営推進機関がまとめた電力契約の切り替え件数は1週間で約15万件増加したが、全国世帯数に占める割合は1%未満にとどまっております。
一般家庭向け電力市場規模8兆円に参入した新電力ですが、いろいろな付加価値をつけて値引き合戦を行っております。電力料金の方も概ね年間電気料金が15万円超程度の世帯なら今までより1万円前後下がる計算です。やはり首都圏と関西圏の都市部で関心が高く、本業で多くのユーザーを抱える新電力勢が堅調に契約を伸ばしています。
(1)ガス会社・石油関連会社が先行
契約切り替えの前段階のデータである申込件数は、ずっともプランの東京ガスが4日時点で24万2千件に達しています。これは3月中旬時点に比べて2倍増となります。すでにガスで契約しているという安心感があり、都市ガス契約とのセット割を多く獲得しています。戸建てに住む大人数の家族などの需要が多いとみられます。
大阪ガスも11万件を超えております。大阪ガスによりますと見込み通りの契約数が獲得でき、スムーズなスタートが切れたとコメントしております。
ENEOSでんきを展開するJXエネルギーは約10万件を獲得しております。電力料金自体割安なのに加え、電気の契約を結ぶとガソリンや軽油のクレジットカード払いの値引き幅が上乗せされるサービスが人気です。
(2)私鉄も参入
東京急行電鉄子会社の東急パワーサプライは新規契約件数が3万件を超えました。渋谷や横浜など東急主要駅の定期券売り場に特設ブースを設置するなどして売り込むをしております。鉄道会社なので定期券や東急カードなどと連携したサービスを武器に沿線住民を中心に新規契約を獲得しております。
(3)苦戦しているところも
しかし、首都圏での参入企業全てが万単位の申し込みを獲得できているわけではなそうです。九州電力子会社九電みらいエナジーは新規契約が約300件にとどまっております。首都圏に住む人に代わって、九州の実家などに安否確認の電話を入れたり訪問したりするユニークなサービスをセットで提供することで顧客増を画策しています。
(4)アフターサービスがカギ
一方受けて立つ4月から持ち株会社に移行した東京電力ホールディングスは首都圏の既存顧客の囲い込みに苦心しております。傘下の東京電力エナジーパートナーが、使用量が多い家庭向けに最大5%安くする新メニューを導入して、申し込みは約30万件に上りました。今後、東京電力ホールディングスはサービス追加や提携拡大を検討していくようです。
まだ新規契約が1%未満で消費者は様子見している中、トラブルへの対応も注目されそうです。新規契約1万件を獲得したエイチ・アイ・エスグループの新電力、HTBエナジーはシステム連携で不具合が発生しています。ほとんどの顧客への供給が予定から遅れており、原因究明を急いでいるところです。
HTBエナジーのシステムトラブルが心配です。早期に原因究明と復旧をしてほしいところです。まだ、新規契約が全世帯の1%も達していない現状です。大手電力会社はホットしているかもしれません。より安くなればいいと思っている人もいれば、環境にやさしい発電方法の電気がいいと思っている人もいると思います。現在、火力発電の燃料が安いので、電気料金もそこそこですが、燃料が高くなった場合どうなるでしょうか。再生可能エネルギーとコストが変わらなくなるかもしれません。
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