何気によく聞くバイオマス発電、どんな発電方法?
バイオマス発電とは?
バイオマスとは小難しい定義では「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」となっています。化石資源とは石油、石炭、天然ガスです。それを除いた、動物の排泄物、廃棄紙、廃木材、もみ殻等がバイオマスとなります。
発電するときにタービンを回しますが、バイオマスを燃料としてタービンを回す発電方法をバイオマス発電と呼びます。
またバイオマスを燃やす時に発生するCO2は、成長過程の光合成で吸収したCO2と同量と考えられるので、地球環境に優しい発電燃料と言えます。これを「カーボンニュートラル」と言います。
石油や石炭、天然ガスは取ればそのうち枯渇しますが、植物は太陽と水とCO2があれば永久的にバイオマスを生み出せるので、発電燃料枯渇の心配がなくなります。
バイオマスの使用発電燃料
現在、バイオマスの使用状況は表のようになっています。
バイオマス | 賦存量(万トン) | 利用率 |
家畜排せつ物 | 8,800 | 90% |
下水汚泥 | 7,800 | 77% |
食品廃棄物 | 1,900 | 27% |
農作物非食用部 | 1,400 | 30% |
林地残材 | 800 | 0% |
家畜排せつ物や下水汚泥はすでに利用率が高く、今後、バイオマス発電に利用される燃料は利用率が少ない、廃材等が注目されます。
すでに日本製紙社では、未利用材のバイオマス発電事業を行っています。
また、農林水産省はバイオマス未利用資源の活用によって5,000億円相当の新産業を創出すると予想しています。
しかし、今後未利用の林地残材が国内では賄うことができない事態陥る可能性があり、バイオマス燃料の確保の問題解決が急務であります。農林中央総合研究所の試算では、2017年頃から燃料不足が現れるとしています。
そのため、バイオマス燃料は輸入材に頼らなければならないそうです。現在は「PKS」と呼ばれるパーム椰子殻が主流です。年々倍々で輸入量が増えており、急激に使用量が増えています。
それでも、PKSの輸入先であるインドネシアやマレーシアでの生産量では間に合わなくなる可能性があり、今後は日本が自ら東南アジアでのバイオマス資源作物のプランテーションを行わなければならない可能性があります。
イーレックス社は高知市にすでにバイオマス発電所を稼働させており、さらに、今年秋には大分県佐伯市に新たにバイオマス発電所を稼働させる予定です。
バイオマス発電のこれからに注目です。
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