日本製紙、タイで木質バイオマス燃料量産構築目指す 株買うか?

日経新聞より、

日本製紙(3863)は新型の木質バイオマス燃料の生産をタイで開始します。来春、実証実験を始め2018年度中には量産化に進む予定です。既存の木質バイオマス燃料と比べ熱量が多く、発電量が確保できます。世界で同様の研究が進むが量産化まで道筋が立つのは珍しいことです。製紙業で培った技術を生かし、エネルギー事業の収益化を急いでおります。

生産設備は2014年に約22%を出資したタイの製紙大手、SCGペーパー(現・SCGパッケージング)の紙事業部門会社PPPC社と共同でつくります。PPPC社がタイ東北部に持つユーカリなどの植林地で木材を調達し、日本製紙の釧路工場(北海道釧路市)に搬送して石炭と混ぜて燃焼させ、固形燃料であるペレットの形にします。生産能力は年8000トンを見込んでおります。

木質バイオマス発電は林で間引いた木や建設廃材、製紙過程で出る樹皮など木質系燃料を使う発電方法です。政府も安定電源として発電量を2030年までに引き上げる目標を掲げていますが国内では原料の木材の安定確保が難しいところです。

新しい木質燃料はコーヒーの焙煎(ばいせん)のような「半炭化」と呼ぶ加工技術を使い、250~300度の比較的低温で数十分かけ、じっくり炭にします。従来の木質チップと比べ2倍の熱量があり、単純計算では発電効率も2倍になります。砕きやすく、細かくした石炭と混ぜて使えるため、既存の石炭ボイラー設備で追加投資なく使えます。

生産と併行して三井物産と共同でアジアの市場調査を行う。日本や韓国の電力事業者などの動向を調べ、需要を見極めます。採算性が確認されれば2018年度中に生産能力を10倍に引き上げる計画で、投資額は数十億円規模の見通しです。

紙の需要は一般的に考えて減少傾向にあると思います。日本製紙も2016年3月期第3四半期決算では、出荷数量が減少しております。

日本製紙は2015年度より第5次中期経営計画をスタートしております。積極的な構造転換投資を行う計画で、エネルギーやケミカルなどに1270億円を投入することになっております。

今回のバイオマス燃料の生産報道も、構造転換投資の一環だと考えられます。エネルギー事業で売上高500億円目指す計画です。

日本製紙の現在の株価ですが、4月26日終値で2184円です。上場して3年しかたっておりません。今の株価は上場来高値に近い値です。年間配当は60円で配当利回りは2.75%、株主優待は紙製品の詰め合わせが年一回もらえます。私もいただきました。日ごろ買わない高級ティッシュペーパーなどあり、重宝しました。しかし、今の株価は少し高い印象があります。

私が購入したときは1800円台です。日経平均株価が下落傾向にある中、日本製紙株は下がらず、むしろ上がっている傾向があります。もう少し下がってから買ってもいいでしょう。

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