日経新聞より、ガス自由化に向けての逆襲です。
東京電力ホールディングス(HD)は家庭向けの都市ガス製造に乗り出します。一部の工程を外部委託していたが、50億円程度を投じて千葉に設備を新規に導入し、自前で一貫生産できる体制を整えます。今春の電力に続き、2017年春には家庭向けの都市ガス小売りも自由化となります。機動的にガスを販売できるようにし、東京ガスなどに電力契約で奪われた収入を補う計画です。
東京電力HD傘下の姉崎火力発電所(千葉県市原市)の構内に熱量調整(熱調)設備を初めて建設します。都市ガスは家庭に送り届ける前に発熱量や圧力、成分の比率が一定になるよう少量のLPガスを混合するなどして調整する必要があります。
東京電力HDは工場など大口向けには既にガスを販売しており、大半は熱調せず「生ガス」で供給しています。ガス供給会社に卸売りしている一部のガスは東京ガスに熱調作業を委託してきました。東京電力は輸入した液化天然ガス(LNG)の品質を均一にする工程を自前で担い、コストを下げながら家庭向けの小売りに参入します。
東京電力HDの大口向けガス販売は現在、年間130万トン(LNG換算)程度で売上高は約1200億円です。2023年度までに家庭用も含め販売量を100万トン増やす計画で、新設する熱調設備で家庭向けの販売増に対応します。
4月に始まった電力自由化で、東電はガス会社など新規参入企業に電力契約を奪われている。家庭向けガス小売り参入により、電気とのセット販売などを打ち出して巻き返したい考えです。
家庭向けにはガス会社への卸供給も強化する。5月には日本瓦斯に年間約24万トンの都市ガスを卸供給する契約を結びました。東京電力HDは千葉に顧客基盤を持つ京葉ガス、大多喜ガス両社への卸売りを拡大する可能性もあります。
東京電力HDは発電所の燃料用にLNGを大量輸入しています。中部電力と燃料調達事業を来月統合する予定で、LNG調達量は年4千万トンと世界最大規模になります。調達規模を生かして価格競争力を引き上げ、家庭向けサービスの拡充につなげる計画です。
本日、電力株は低調でした。日経平均株価が久々に上昇しましたが、大手電力とイーレックスは値を下げました。
東京電力HDは年初来安値を更新するなど438円です。
いい評価のアナリストは少なく、目標株価420円にしている証券会社もあります。
買うなら400円を割ったところでしょうか。
今期も無配なので長期保持でも数年のスパンを考えた方がよいでしょう。
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